中村好文 住宅読本を読んだ

風景。風景に溶け込む、収まる家というのはその場に入り込むという意味で大切だと思う。

ワンルームワンルームといっても、東京によくある単身者向けの極小の部屋のことではない。例えば50平方メートルくらいの部屋で、仕切りの壁や扉が本当に必要なのかを考えた結果のワンルーム。ヒアシンスハウスも清家清の「私の家」もそう。 そういう用を考えた家は小屋と一緒で、憧れがある。

居心地。溜まりのある、曖昧な場所があることで助かる時があることを知っている。

台所、食卓。「美しく散乱する台所、あるいは多少の散乱ぐらいでへこたれない大らかな台所」というのは確かにすごくいい。ざっくりした、大らかな、調理道具が露出していることが活気になるような、そういう台所はとてもいい。 すらっと収納するのでなく、調理器具が並んでいることを許容してしまうような台所にしたい。

子供。いろんな居場所がある家にしたい。プライバシーと空気感のグラデーションを持てるような。

手ざわり。手ざわり、足触りのいいのは気分が落ち着く。

床の間。神聖な場所、精神の拠り所になる場所が必要というのは、歳をとって、いろんなことを経験して共感できるようになった。お気に入りのチェストなどがあるといい。

家具。家具を考えるのは贅沢なこと。