中村好文 普段着の住宅術を読んだ

宅建築に関するエッセイを集めた本。軽く読めた。 家具に関してのエッセイが特に気になったかな。抽斗、床の間チェスト、キッチンスツール、畳める椅子など。 床の間的な空間を持つことの意味が学びがあった。

家全体を平等で気さくな空気が支配している今風の住まいも悪くはないが、あっけらかんとした明るさは口あたりだけがよくて栄養のない食物のようだ。住まいや暮らしに陰影を与える意味でもこうした精神の拠り所としての特別な場所が必要ではないだろうか。

「神聖な」という言葉が適当かどうかわからないが、そこには間違っても新聞交換のトイレットペーパーなどを無造作に置いたりはできない、そういう場所を住まいの中に持ちたいものである。

これは本当にそう。思い出の写真とかを置く場所は必要。吉村順三も家の中の重心を大切にしていたそうだし、そういうものを大切にしたい。