40代のオバちゃん二人暮らしがなぜこんなにチャーミングなのか。家族でもなく、ただの仕事仲間や友達とも違う、緩やかな関係性が尊くて愛おしく見えてしまう。 最後のシチューの話も、巻末にふさわしくちょっとビターなテイストを醸しながら、少しづつ変化しながら続いていく日常の余韻を感じられてとても良かった。
二人の小説、「三月のハシビロコウ」と「ふきのとうはまだ咲かない」も、クオリティが高くてびっくりした。エリコさんの書いた方の、
気取りのない、真っ直ぐで素朴で角のない優しさ。
という一文が特に良かった。こういう人になりたい。