住宅設計するときに忘れがちだけど、エアコンの設置位置ってすごく重要

現代の高機密高断熱住宅だと1フロアにエアコン1台だから、エアコン本体は共有部や廊下につけたい。だけど、室外機の設置場所は、以下のように条件が衝突しがち。

エアコンの室外機の推奨の設置場所は以下。

  • 風通しがよい
  • 直射日光がささない
  • 雨や雪があたりにくい

そして、

  • エアコンダクトは長くなると効率が落ちる(どれくらい?)。少なくとも短い方が保守性は良い

しかし、本体を置く間取りとしては、

  • 共有部は日射を得るために南に寄せがちなので、南面は室外機が置きにくい
  • 効率のよい間取りにすると廊下は中心に寄って外部に接しなくなるので、廊下にエアコンつけにくい
  • 室外機は騒音、振動があるので、ベッドやデスク、ソファの近くには置きたくない

というのもある。

こういう直交した条件を考えると置き場所が非常に困る。最初の設計の段階からエアコン設置場所も含めて考えた方が良い。これは間取りの方程式の本にも書いてなかった。

この辺の矛盾を完全に避けたいなら、床下エアコンによる全館空調がいいんだろうな。床下ならダクトを長くしても保守がしやすいし、環境変化が小さいから劣化も少なそう。

ロンドンゾンビ紀行 Cockneys vs Zombies を観た

Prime対象から外れるみたいだったので観た。

肩の力を抜いて、気軽に見れるゾンビコメディ。驚くような展開もないし、爺さん婆さんがゲームみたいにゾンビを吹っ飛ばしていくし、すごくストレスフリー。なので、90分ないんだけどやはりちょっとダラける。軽い作業をしながら観るのがちょうどいいかも。

ゾンビコメディとしては、ショーン・オブ・ザ・デッドとかゾンビランドみたいな名作があるから、そっちの方がやはり好きかな。

暮らしやすい「間取り」づくりのヒント を読んだ

ゴミの収納スペースを考えましょうとか、子供部屋の作例はいいんだけど、ただのパターン集、TIPS集なので、すごく役に立つものではない。これを読んでも、暮らしやすい間取りは作れないと思う。間取りの方程式と片付けの解剖図鑑の2冊を読んでお気に入りの建築家の本を読む方が有益。

しかし、部屋の用途を固定するのを推奨しているのはなんなんだろう。それどころか、ベッドサイドライトを壁付にするとベッドを交換するどころか、位置を変えることもできなくなるからリスクだと思うんだけど。みんなそんなに固定された生活を送っているのだろうか。

コストダウンに成功した暮らしやすい家づくり を読んだ

図書館に並んでいたので読んでみた。けど、僕には意味がなかった。

よくよく見ると13年前の本だから仕方ないのかもしれないけど、コンクリ打ちっぱなしや、断熱材無視など暮らしやすさを完全に無視していたり、知り合いのツテで安く部材を仕入れたり、安く作業してもらったりとかで全然参考にならない。 あと大工仕事のコスト安すぎ。13年前ってこんなにデフレだったっけ?

新しい住宅デザイン図鑑 を読んだ

これもエクスナレッジ

イデア集としてはいいと思う。けど、なぜそのデザインなのか、それで失われるものはなんなのか。そもそも住宅を考える上でそれは必要なことなのかについての言及がないので、役に立たないことの方が多い。

あと、基本的に写真が生活を始める前のものなので、暮らしの匂いがしない。モデルルームみたいな感じで住宅ではない。中村好文さんの本のような、生活している中での佇まいを見せている本の方が有益だと思う。

あと、

  • スキップフロア(バリアーだらけ、いつまで四肢が動くと思っているのか)
  • トップライト(夏の日射への対策が必要、雨漏りしやすい)
  • 屋上庭園(砂が近隣に撒き散らされる)

みたいな、リスクが非常に大きいものもリスクの説明なしに取り上げられているので、そこはすごく良くないと思う。

飯塚豊 間取りの方程式 を読んだ

家を建てるので、エクスナレッジの図鑑シリーズを読んでいる。これは図鑑じゃないけど。

学びの多い、非常にいい本だった。家の間取りを考える上でとても役に立っている。

以下、メモ。

  • 土地、配置、領域
    • 広くて眺望が良くて住宅が密集していない土地を見つけられたのでうちは特に工夫は不要だった
  • 動線、玄関
    • クローバー型で玄関か階段を真ん中に、というのは納得感がある
  • 寸法
    • キッチンを2275mmにするか2730mmにするか、非常に悩む
  • 間仕切り
    • 障子もいいし格子戸とか憧れる
  • 抜け
    • 抜けは本当に大切。キッチンから全体が見渡せるとか、玄関からちょっと入ったら奥の庭まで見えるとかあると本当に気持ちがいい
    • ピクチャーウィンドウとか入れたい
  • たまり
    • ちょっとぼんやりできるところがあるのは助かる時があるはず
  • 回遊
    • わざとらしい回遊は使われないというのはなるほど。機能と組み合わせたい
    • 「壁の中央に1820mmの引き違い窓」というワンパターンは本当にやめたい。断熱性能も下がるし防犯性も下がるからいいことない
    • トップライトよりハイサイドというのは本当にそう
    • 中央を外すというのも面白い。ちょっと考えてみたい
  • 天井高
    • リビングと寝室、水回りの天井高を変えるというのは考えなかったけど確かに面白そう
  • 吹き抜け、段差
    • スキップフロアはメリットもあると思うんだけど、大きなバリアーになるのとルンバが掃除できないのでとても苦手。住宅はアクセシビリティが確保されるべきだと思う

増田奏 住まいの解剖図鑑 を読んだ

家を建てることにしたので、エクスナレッジの解剖図鑑シリーズを読んでいる。

この本はパターン集という感じ。シリーズを読んでいくとだいたいシュレーダー邸や最小限住宅、休暇小屋とかが出てくるのが面白いし、吉村順三、宮脇檀、増沢洵とかの名前が出てくるのが趣味が近いのでいい。

以下、気になったところメモ。

  • リビングでのテレビとの向き合い方
    • リビングではテレビが大きいツラをしているけど、テレビが主役ではないはず、団欒する人が主役のはず
    • でかいソファをテレビに向けるとシアタールームになってしまう
    • でかいソファはテレビから90度向けるくらいがちょうどいい
  • ダイニング
    • ダイニングテーブルが要求する空間は案外大きい
    • 出入りもスムースでないと苦しくなる
  • キッチン
    • 冷蔵庫から出して、シンクで洗って、天板で切って、コンロの鍋に入れる、という一連の流れをしやすいように
    • キッチン、ダイニングでだいたい80mmくらい高さが違うというのは気づいてなかった。それによって何かを変えるのはしないと思うけど、丸テーブルもいいねと思えてくる
    • キッチン、ダイニング、リビングで目線の高さを揃えるというのは確かに面白い。だけど大変だしコストもかかる
  • 収納
    • 一時、随時、常時の区分け
      • 扉、ガラス戸、オープン
    • 吊るすという選択は僕も好き
  • 水回り
    • 洗面台と脱衣室は同じになりがちだけど、分けていいんじゃないかと最近はよく思う
  • 軒下
    • ものすごく重要。軒がない家とか信じられない
  • 動線
    • ツリーとネットの話でアレグザンダーきた。良い。
    • ネット(回遊できる)は吉村順三も作っていた回遊動線はやはり暮らしやすく思える
  • 共有と占有(プライバシー)
    • プライバシーにグラデーションを持たせたい