Sun SPOT キャラバン 2008 in 東京 〜 無線センサーネットワークデバイスの開発者向けセミナー 〜

Gainerでセンサーユニットをいろいろ扱ってみて面白かったので、Sun SPOTにも興味があったのですが、ちょうどこんなセミナーがあったので参加してきました。
サブタイトルは「開発者向けセミナー」とついてますが、どう見ても開発者じゃなさそうなおっちゃんばっかでした。教育機関の関係者っぽいひともけっこういたみたいで、やっぱり教育機関向けかな。定価8万がアカデミックパックだと4万になるし。

結論

センサーユニットの商品化や、後述のSquawk Java VMなどいろいろ面白い取り組みなので応援したいのはやまやまですが、ユニット2つと通信時のホストユニットひとつで8万は高すぎて手がでません。Gainerで無線通信する方向でがんばったほうがよさそうです。

Sun SPOT

以下のような特徴のあるセンサーユニットです。

スペック
  • 180MHz ARM-920T
  • 512KB RAM
  • 4MB flash ROM
  • TI CC2420 Radio
    • IEEE802.15.4/2.4GHz での通信ができます。
    • 電波が通りやすいところなら50mくらいは届くそうですが、2.4GHz帯を使っているので干渉しやすいです。
  • 3.7V 720mAhリチウムイオン電池
    • 搭載してるARM920Tはスリープ時の消費電力がマイクロアンペア単位らしいので、スリープをうまく使えば、1ヶ月とかいけるんじゃないかと言ってました。
  • 3色LED が8個
  • 3軸加速度センサー
  • 温度センサー
  • 光センサー
  • プッシュボタンが2個
  • I/Oピンたくさん

SDKが提供されているのでNetBeansでやればそこそこ快適に開発できそうです。
実際、ボード上に載っているセンサーが抽象化されていてなかなかラクでしたが、センサーから取得した値の正規化はニーズごとに変わるものなので当然自分でやらないといけないので、まあそれほどうれしいわけでもないですね。

面白いなーと思ったのは、

Sun SPOTはOSを持たず、コードの大部分がJava言語で記述された、小型デバイス向けVMであるSquawk Java VM(CLDC 1.1準拠)がCPU上で直接動作しています。

というところですね。なかなかチャレンジングで素敵です。
squawkはオープンソースjava.netで開発されてるようです。
https://squawk.dev.java.net/
Sun Lab.のSun SPOTチームは10数人で構成されてて開発から営業・販売まですべてをこなしてるらしいです。

Sun SPOT ハンズオンラボ

特筆することもなく、3色LEDで二進表示カウンターを作ったり、Sun SPOTを一つを傾きを受け取ってリモコンに、一つをリモコンカーのサーボモーターの制御に使った、リモコンカーアプリを動かしたりしてみただけです。
SPOT本体よりも、AC電流じゃなくても動く、無限回転サーボモータのほうに夢中になってました。しかしこれもひとつ3,150円。高い…。
あと、SPOTは薄い基盤を4枚重ねてる構造なので仕方ないのですが、ジャンパーワイヤーのピンがしっかり刺さらなくてそこに苦労しました。

センサーネットワークの未来

センサーネットワークは今までなかったような、莫大な、しかも今までとは性質が異なる情報を取得する手段になるので、それがあれば人間の行き方を変える可能性があるとおもいます。ニンテンドーDSの「生活リズムDS」はその一端でしょう。
Sunがそれに投資するのもわかります。センサーは数があってナンボなので、もっといろんなところが投資して、もっとコモディティ化してほしいです。そうとうなバクチですけど。
センサーでとれる情報はセンシティブなものもありますが、手始めに、携帯にももっといろいろセンサーを積めばいいのに。