純喫茶 磯辺

擦過傷の傷口みたいな、真皮が削れてリンパ液が染み出してるような映画。
弱さを持った人物たちに自分を投影してしまって、ヒリヒリ痛い。
コメディと思って見始めたし、実際クスリと笑えるところがたくさんあるんだけど、薄皮一枚の下は誰一人幸せじゃなくて、笑えばいいのか、泣けばいいのか、怒ればいいのか、やるせなくなればいいのか、どうすればいいのかわからない。
悲しくて可笑しいのがコーエン兄弟だけど、可笑しくて悲しいのが純喫茶 磯辺なのかも。すばらしい人間ドラマでした。